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2008年01月12日

初笑いと書道

初笑いがあるんです。

初笑いって行事があるんです。

職員が仮装したり、二人羽織をしたりして、お年寄りを笑わせるんですけど。

大抵失笑で終わるんでやめた方がいいと思うんですが。

恒例行事なので、仕方なく今年もすることになったんです。

まあ、それはいいんです。

それに関しては別に構わないんです。

ただ、ちょっと問題がありまして。

壁にね。

『初笑い』

って書いた模造紙を貼るんだそうです。

言われなくても分かるわいって思うんですが、これも恒例ですので。

貼ることになったんです。

で、筆で書こうって話になりましてですね。

それなら書道の得意な人に書いてもらおうってことになったんです。

じゃあ誰が得意なのかって話で。


「水卿くん、書いてね♪」


ってことに。


ちなみに、私は得意ではありません。

得意ではないのですが、私になりました。

その理由は。

誕生会に有り。


誕生会の時にも、壁に「お誕生日、おめでとうございます」って書いて貼るんですが。

書くのが面倒だったので、他の部署にいる後輩に書かせたことがあったんです。

その後輩は書道教室の講師だった人で。

要するに習字の先生で。

少子化の影響で経営難に陥り、この仕事へ転職したという経歴の持ち主で。

その後輩に、頼んで書いてもらったことがあったんです。

当然ですが、もの凄く字が上手いんです。

達筆なんです。

それを張り出したものですから、すっかり私が書道の高い段を持っていると勘違いされまして。

私も調子に乗って。


「いやー、何度かコンクールで最優秀賞をとったことがありましてねぇ…」


とか吹聴していたんで。

水卿は筆を持つと筆跡すら変わると評判になったもんです。

そのツケが回ってきたわけです。

自業自得ともいえるんですけど。

これは困ったと。

大勢の人が集まる初笑いの場において。

ヘタッピな私の字が張り出されるようなことになりでもしたら。

こりゃ完全な恥ですよ、生き恥ですよ。

それは困るってことで、頭をフル回転しましてですね。

打開策を探していたんです。

が。

周囲の職員は興味深々って顔で、私が書き出すのを待ってるわけです。

八方塞なわけです。

こっからどうするかです。

決まってます。

後輩を呼び出して書かせます。

もう何年も筆を触ったことも無い私が書けるわけないです。

しかしそこは太公望の生まれ変わりとも言われた私です。

言われてないけど、私です。

とりあえず。


「今は面倒だから、後でいいよね、帰るまでには仕上げますよ」


といって切り抜け。

後輩のいる部署へ走っていって、休憩室の扉をブチ破らんって勢いで押し開き。

何事かと目を白黒させている職員の顔を一人ずつチェック。

後輩の姿を確認すると、腕を引っ掴んで非常階段の脇へ引きずってきて。

何が何だか分からないって表情の後輩に今の状況を説明したんです。

後輩は。

「いずれバレますよ、正直に話せばどうですか?」

とか言ってたんですが。

「お願い、今回だけ、今回だけだから!!」

と、拝み倒して、何とか筆を取ってもらう同意を得ることができました。

帰るまでには書いておいてくれと告げて、その場を去ります。


これで憂いは消えました。


ところが。

私は大きなミスを犯していたのです。

それは出勤の違い。


私は日勤で、後輩は遅出。

日勤とは。

午後5時半で退勤になります。

遅出は。

7時半の退勤。


その差、2時間。


つまりですね。

私が帰る時刻、彼は働いてる最中なのです。

主任が。

「水卿くん、そろそろ書けた?」

と近付いてきても。

書けていないわけです。

しくじった!

と、自らの詰めの甘さを恨みながら脂汗を流していたのですが。

もうどうしようもないので。

腹を括って書くことにしました。

中学時代に習ったことを思い出しながら書きました。

書き終えて主任を見ると。


「‥‥‥‥‥‥‥」


無言。

何も言わない。

ただ、重苦しく乾いた空気だけが流れていく。

耐えらんない。


「れ…練習ですよ」


とりあえず誤魔化して。

トイレへ行くと偽り、その場を後に。

これがラストチャンスです。

悪あがきする最後のチャンス。

仲の良い年寄りに協力してもらって、主任を誘い出してもらうことにしました。

これは何とか成功します。

不機嫌を装ってしばらく足止めしてもらいます。

その隙に後輩を呼び出したいのですが、生憎業務の真っ最中。

しかし諦めるわけにはいきません。

内線を使い、医務室からの呼び出しと偽って連れ出します。

そのまま大急ぎで書かせました。

有無を言わさず書かせました。


達筆です。


用済みの彼には仕事へ戻ってもらい。

そ知らぬ顔で主任が戻ってくるのを待ちます。

しばらくして戻ってきた主任は、模造紙を見て。

相変わらず上手ね、とお褒めのお言葉。

してやったりって感じです。

ところが。


「でも間違えてるわよ」


と、予想外のお言葉が。


「福笑いじゃなくて、初笑いね♪」




模造紙を見ると。



『福笑い』



何度見ても。



『福笑い』




『初笑い』ではなく『福笑い』




愕然とする私。



「書き直してね♪」



「‥‥‥‥‥‥」



もう駄目です。


仕方ありません。


万策尽きましたので。



私が書きました。


自分で書きました。


初笑いは。


失笑より始まる。
posted by 水卿 at 00:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして^^

「練習です」に思いっきり笑ってしまいました。
失笑からはじまる新年。
素敵です!!
Posted by 玉太郎 at 2008年01月14日 11:28
わあ、新しい人だー。
コメントありがとー。
玉太郎さん、ありがとー。
読んでくれて、ありがとー。

気が向いたらまた来てねー。

更新頻度はどんどん下がってる気がするけど。
Posted by 水卿 at 2008年01月15日 00:01
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