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2008年11月11日

桃太郎と鬼と鬼殺し

昔々、あるところに。

お爺さんとお婆さんがいました。

お爺さんは山へ芝刈りに。

お婆さんは川へ洗濯へいきました。


お婆さんが川で洗濯をしていると。

ドンブラコ、ドンブラコ。

大きな桃が流れてきました。

「桃…」

お婆さんは桃を持って帰りました。

お爺さんが帰ってくることはありませんでした。


お婆さんが桃を割ると。

中から玉のような赤ん坊が飛び出しました。


「桃…太郎…」



月日は流れ。


桃太郎はすくすくと成長し、立派な若者になっておりました。

そのころ、都では悪い鬼達が、娘を攫ったり、宝を盗んだりしておりました。

桃太郎は、その噂を聞きつけるとお婆さんに言いました。


「婆さま、鬼ヶ島へ鬼退治へ行く」


「ん…」



行きました。

桃太郎は行きました。

お婆さんから、きびだんごを貰って行きました。


桃太郎が林を歩いていると。


「桃太郎さん、桃太郎さん」


桃太郎を呼ぶ声がします。

桃太郎が振り返ると、チワワがいました。


「なにしてんですか、私の庭で」


「…ごめんなさい」


怒られました。

きびだんごを渡して謝りました。



桃太郎は進みます。

川を歩いていると。


「桃太郎さん。桃太郎さん」


桃太郎を呼ぶ声がします。

桃太郎が振り返ると、朱鷺(トキ)がいました。


「お腹が空いたよー」


食べ物をねだられました。


「何が食べたい?」


「虫とか、カエルとかです」


「これも似たようなものだろう」


そういって桃太郎は。

お婆さんから貰った、きびだんごをあげました。

すると朱鷺が言いました。


「ありがとう、お礼に子分になりましょう」


「結構です」




朱鷺の誘いを断り、桃太郎は進みます。

谷間を通りかかった時。


「桃太郎さん、桃太郎さん」


桃太郎を呼ぶ声がします。

桃太郎が振り返ると、口裂け女がいました。


「私奇麗?」


「微妙」


「はっきり言って」


「自分ではどう思う?」


「貴方がどう思うかが知りたいの」


「どうして私の評価が気になるんだい?」


「え?」


「他人の評価に価値はない、人の好みは千差万別。君だってそうだろう?
 大切なのは、自分が自分をどう思うかさ」


そういって、きびだんごを渡しました。



「…美味しい」





海が見えました。

桃太郎は地元の漁師から船を借り。

鬼ヶ島へと漕ぎ出しました。

旅のお供は、腰に下げた刀。

そして、口裂け女。



鬼が島へ着きました。

無駄に大きな鉄の門はサビて閉まっていません。

桃太郎と口裂け女は門を潜って中へと入ります。

中には。

鬼が沢山いました。

100人はいるでしょうか。

その100人の鬼は。

どうしたことか。

全て地に伏しております。

いえ、一人だけ起きている者がいます。

大きな身体、真っ赤な体毛。

鬼の総大将です。

その総大将に向き合う小さな影。

影が少し揺らめくと。

鬼の総大将は血飛沫をあげて倒れました。

桃太郎達が驚いていると。

影が振り返ります。


「一足遅かったな、桃太郎」


「何者だ?」


「知る必要はない」


そういって影は桃太郎に斬りかかります。

桃太郎も刀を抜いて立ち向かいました。

激しい剣戟。

長い戦いが続きました。

しかし、桃太郎は石につまづき体勢を崩してしまいました。

その隙を逃さず、影は刀を振り下ろします。

桃太郎の首に影の凶刃が迫ろうかという刹那。

桃太郎は突き飛ばされ、草むらへ転がりました。

口裂け女です。

桃太郎を助けようと刀の真ん前へ飛び出したのです。

無論、無事であろうはずがありません。

胸から胴まで切り裂かれ。

口裂け女は大地に倒れこみました。


「おのれぇ!」


桃太郎は怒ります。

草むらから起き上がると。

矢のようにすばやく間合いを詰め。

影の振るう刃を弾き返し。

返す刀で首を刎ね飛ばしました。



そして口裂け女へと近寄ります。



「も…桃太郎さん」


「しっかりしろ、口裂け女!」


「わ…私はもう駄目」


「弱気になるな!」


「あなたが…私に言ってくれた言葉…」


「‥‥‥‥」


「他人の評価なんか価値はない、自分がどう思うかが大事なんだって」


「ああ…」


「私、自分に自信がなかった…だから嬉しかった」


「もう喋るな…!」


「ありが…と……」





突き抜けるような晴天。

打ち寄せる波音。

静かな静かな鬼ヶ島の昼下がり。

桃太郎は鬼達の遺体を城の中へ運びます。

口裂け女も。

全員を運び終えると。

城に火を放ちました。

立ち上がる炎。

轟々と燃え盛る鬼ヶ島。

彼らの想いを代弁するかのように。

いつまでも炎は揺らめいておりました。



と、そこに耳を劈かんばかりの悲鳴が…。





「あ、攫われた娘たち…!」



忘れてました。

完全に忘れてました。

多分城の中に囚われていたのでしょう。

その城内は今や火の海です。



桃太郎は諦めました。




次に桃太郎が向かったのは。

鬼達を倒した謎の人物のところです。

桃太郎に斬られ、首が胴から離れております。


「鬼を百人も倒すとは…こやつも鬼よ」


そういって首を風呂敷に包んで土産としました。

桃太郎は村へ戻ります。





「婆さま、桃太郎が帰ったぞ」


「‥‥どうじゃった?」


「知らない奴が鬼を倒してた」


「…で、どうした?」


「そいつを斬ってきた」


そう言って、桃太郎は。

風呂敷に包んであった生首を取り出し。

婆さまに見せてあげました。




「じ…爺さん…!」





おわり。
posted by 水卿 at 22:28| Comment(5) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
疲れないか?
Posted by 坑道式発破 at 2008年11月11日 23:14
このあと、ばあさんが桃太郎を斬るのか?
Posted by 坑道式発破 at 2008年11月11日 23:15
いや。

あれで終わりです。

続かないです。

あの後どうなったかは。

ご想像にお任せします。




考えてないし。

あ、本音が…!
Posted by 水卿 at 2008年11月11日 23:19
最高でした!
やっぱりミズキさんはすごいですね!
明日も待ってます^^
Posted by 迷える子羊 at 2008年11月12日 01:28
ありがとうございます。

スイキョウです。

ありがとうございます。

スイキョウです。

水卿と書いて。

スイキョウです。

水郷でもいいですが。

スイキョウです。

水卿でも水郷でも。

どちらでも構いませんが。

スイキョウです。

Posted by 水卿 at 2008年11月13日 20:41
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